他者が理解しやすく、読んでもらえる文章を書きたい。
誰もが当たり前に思うことだと思います。しかし、当たり前のことができないと悩む人はとても多いです。そして文章を書くコツを述べた著書やネットの記事は世の中には沢山あります。
私も社会人10年目になりますが、未だに文章を書くことは嫌いです。日報作成、会議の議事録、お客様向けの報告資料作成とたくさんの文章を書いてきましたが、10年変わらず文章を書くことは嫌いです。そんな私でも、10年仕事をしていれば後輩ができ、文章のレビューをすることが増えました。今回の記事では、私が後輩によく伝える文章を書くときに意識してほしいポイントをまとめてものになります。
- 書く目的を明確にする
- 書く時のコツを意識する
文章のレビューでよく受ける指摘
私が後輩の文章をレビューした際、指摘内容の多くは以下の3点が多いです。
- 何が言いたいのかがよくわからない
- 文章の主語がわからない
- 具体的に書いてほしい
こうした指摘を解消するために、もしくは受けないようにするために私が意識することを紹介したいと思います。
書く文章の目的を明確にする
私が後輩の文章をレビューした際、目的を見失っているものをよく見ます。 最終的に誰が読むのか、書いた文章はどういった目的で作らないといけないかが、失われている文章です。 レビューは目的のために必要な作業であり、レビュー自体が目的になってはいけません。
指摘をたくさん受け、一生懸命文章を書く人ほど、レビューを通すことが目的になっている人が多いです。大切なのは、レビュー後に待つゴールなので、目的を見失わず文章を書くことはとても大切です。次に紹介するポイントは目的を見失わないために考えるポイントになります。
伝えたい人(ペルソナ)を明確にする
誰に向けて書く文章なのか、誰がこの文章を読むのかを意識します。 ターゲット(属性)よりもペルソナ(具体的な人物)を意識するほうが良いです。
お客様向けの文章なのか、内部向けの文章なのかで書く内容は随分と変わると思います。IT関係で働いている人に向けてAWSの説明をするのと、パソコンをほとんど触らない家族に向けて説明する場合でも内容は大きく変わるはずです。
残念ながら一生懸命文章を書いてくれた人の文章の中には、完全に自分目線になっているものがあります。例えば、『書いた本人が知っている内容は文章から省略されている』『自分にしかわからない用語を使っている』などです。一生懸命書いても、こういった文章の多くは相手に伝わりません。
まず、誰が読むのかをはっきりさせましょう。そして、その人に必要な説明を文章化する。これを意識するだけで、内容は格段に分かりやすくなります。
結論を明確にする
ペルソナが明確になると次は、その人に何をして欲しいのかを明確にします。
承認をしてもらうのか、何か行動をとってもらうのか、内容を確認してもらうのかをはっきりさせます。そして、その行動につながる文章の結論は何かを考え文章化します。
自分の言いたいことだけを言っても、読み手は理解してくれません。時間の無駄だったと思う人もいます。せっかく貴重な時間を使って読んでもらうのですから、読み手には何をしてほしいのかをはっきりと伝える必要があります。
ビジネスの世界では結論を先に書くということをよく耳にします。私も資料作成時は原則この方法をとります。これは結論を先に伝えることで、こちらの言いたいことを読み手に先に理解してもらい、後の文章を読む時の心づもりを伝える目的があります。
ストーリーを作る
ペルソナと結論を明確にしたら、次はストーリーを組み立てます。私の場合は、ストーリーで相手の考えを誘導することを意識しています。ストーリーを考えると言っても難しいことはなく、私の場合はある程度テンプレート化した流れがあります。
- 課題・問題 → 結論 → 背景・理由 → 具体例 →まとめ
課題や問題に対して、こうしたら良いという提案(結論)をすると大体の人は『なぜ?』となるため、その背景や理由を次に伝えます。背景や理由を概念的に伝えた後、より具体性を持たせるために具体例を書き、最後にふりかえりを行います。その時結論を再掲するといった流れです。
文章を書くときのコツ
ここまで整理できたら、私は文章を書き始めます。
書く目的が明確で、ペルソナがはっきりしており、結論がはっきりしていれば、後は読みやすい文章を書くためのコツです。
主語・述語を近づける。
よく後輩の文章を見ていると主語がわかりにくい文章をよく見かけます。主語がない文章も多いです。
主語がわかりにくい文章というのは、よく主語と述語の間が離れていることが多くいです。読み進め述語まで来たときに主語はなんだっけ?振り返ることが多いです 振り返っている時点で、既に主語を見失っているため、その一文の骨格を見失っており、わかりにくくなります。できるだけ主語と述語の間は小さくして関連が分かりやすいように書くようにしましょう。
一文は短くする。
主語・述語と少し関係しますが、一文は短く書くようにします。
接続詞を多用し文章が長くなると、読み手はいつまでも一文に意識を置かなければいけません。一文が長くなると主語・述語の間も離れがちになります。そういった意味でも一文は短く簡潔に書くことを意識します。
同じ意味の言葉は表現を統一する
同じ意味の言葉でも表現が複数あると、読み手はその裏を考えます。表現を変えると、違うことを言いたいのではないか?などを考えてしまい、相手に余計なことを考えさせてしまいます。
定義された言葉がある場合はその言葉を必ず使うようにします。メールの返信などであれば、相手から送られてきた言葉をそのまま使うようにします。 ビジネスの上では、こうした言葉の定義が全員で共有されていることが、仕事を円滑にすすめる上でとても重要なことだと思います。
何もないところから文章はかけない
これはとても大事なことです。文章の素材を集めることはとても大事なことです。
よくレビュワーから言われた言葉をそのまま書いてお客様に送り、指摘を受け、答えられずシドロモドロになっている人がいます。そうした人は自分で調べず、理解せず文章を書いている人です。
また、当たり前ですが何も素材がないのに資料は書けません。そのため素材集め、その素材を理解することはとても重要なことです。
まとめ
今回お伝えしたかったことはわかり易い文章を書くために私が意識していることを紹介しました。 ここで記事にしたことは後輩から文章のレビューを受けたときに私がよく伝えることでもあります。 少しでも参考になり、よいよい文章を書く助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。