Windows11の正式出荷がされて約1ヶ月た経ち、私も使ってみたいと考えWindows10からの無償アップグレードを試みたのですが、アップグレードできませんでした。今回の記事ではアップグレードできなかった理由と実施したことを紹介したいと思います。
この記事の結論としては『Bootcamp上のWindows10はWindows11にアップグレードはできません』ということになります。
- Bootcamp上のWindows10からWindows11へのアップグレード
- Windows11へアップグレードできない理由
環境の情報
筐体 | Mac Book Pro 16inc(2019年モデル) |
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Windows OS | Windows 10 Pro |
その他 | Boot Camp上でWindowsを実行 |
普段利用しているPCはMac Book Pro 16inc(2019年モデル)を利用しており、今回はそのMacのBootCamp上で起動しているWindows10 Proのアップグレードを検討しました。
Windows11へのアップグレード可否の確認
Windows11へのアップグレードの可否についてはMicrosoftの公式サイトで公開されている互換性チェックのソフトを使って確認が可能です。今回はこのPC正常性チェックのソフトを使ってアップグレード可否を確認しました。上記のサイトから、画面を開き少し下にスクロールすると『PC正常性チェックアプリのダウンロード』ボタンからソフトをダウンロードできます。(以下赤枠参照)
アプリをダウンロード・インストールし、起動すると、画面上部に『今すぐチェック』のボタンが表示されています。このボタンをクリックすると今のPCの環境化でWindows11にアップグレード可能化どうかをすぐに確認できます。
今回の環境下でのチェック結果は『このPCは現在、Windows11システム要件を満たしていません』とされます。問題となっている箇所を確認すると、『TPM2.0がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります。』にアラートが付き、TPM2.0に問題があることがわかります。
TPM2.0とは?
Trusted Platform Moduleの略で、セキュリティ機能を提供しているモジュールの1つです。暗号化キーの作成や使用制限に利用されるもので、具体例を上げるとBitLockerが具体的な利用方法になります。
BitLockerはPCのストレージ(HDDやSSDなど)を暗号化し、データの保護を目的にしています。これは仮にPCからストレージデバイスだけを取り出されたとしても、そのPCのTPMに保存された暗号化キーを使ってでしかロックを解除できないため、盗難等のリスクを軽減することができます。
内容的に専門的過ぎて難しいですよね。分かりやすく説明をすると、金庫とその金庫の鍵は別々の場所で管理をしましょうという思想です。金庫に鍵を刺しっぱなしにしていたり、金庫の上に鍵をおいていると、金庫を盗まれる際、一緒に鍵も盗まれますよね。そうすると、金庫の中身は簡単に取り出され、全て盗まれてしまうため、そうならないように別々で保管しましょうというものです。
MACでTPM2.0を有効にする方法はあるの?
Googleで検索すると様々なサイトがヒットしますが、私は今回Appleのサポートに確認をしてみました。
回答は非常にシンプルで、『Appleの公式見解としてはTPM2.0を有効にできない』という回答でした。 『CPUはTPM2.0をサポートしているが、マザーボード側が対応していないため、Appleとして保証するWindows11へのアップグレードの方法はない』とのことでした。。 また、『ネット上にはTPM2.0を無効にすればWindows11のインストールは可能といった記事はありますが、Appleが動作保証するものではないため、お客様ご自身の責任で実施ください。』 という回答も合わせていただきました。(文章の表現上とても冷たい印象を受けるかもしれませんが、担当してくださった方はとても丁寧に説明をいただけました。)
まとめ
今回はBootcamp上のWindows10をWindows11にアップグレードすることを試みました。残念ながらTPM2.0の問題でできないという結論になりました。公式のサポートがない形のインストールは私の望むところではないため、今回はアップグレードできないという結論になりました。現時点ではまだまだWindows10が主流ではありますが、Windowsがビジネス上必要な方は、いずれ主流が変わった際にどうするかは別途検討しないといけなさそうです。